高齢者で一人暮らしの方が抱える食事問題 簡単レシピや支援サービスをご紹介
一人暮らしのご高齢の方が直面しやすい食事に関する問題やその解決に役立つサービスなどをご紹介します。意識してとりたい栄養素や簡単なレシピなどもご紹介します。
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一人暮らしの高齢者を取り巻く「食事の問題」とは?
65歳以上の一人暮らしの者の動向
『令和6年版高齢社会白書(全体版)』(※1)によると、65歳以上の単身世帯は、1980年には男性4.3%、女性11.2%だったのに対し、この表で最新の実績値である2020年には男性15.0%、女性22.1%でした。今後さらに増加し、2050年には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれています。 長年の暮らし方を大切にしながら自立した生活を続けられることは素晴らしいことですが、一方で、年齢を重ねるとともに少しずつ生活を変えていく必要も出てきます。ご高齢の方の一人暮らしでの課題の一つ、食事。 どんな課題、お悩みがあるでしょうか?
メニューが単調になりがち
食事を一人分だけ作るのは案外難しく、多めにできてしまうことも多いもの。食べなかった分を冷凍にまわしても食べきれず、いつまでも冷凍庫の中に残ってしまう。もったいない精神でがんばって食べ続けて「気づけば同じ料理を何日も食べている」となってしまう方もいるのではないでしょうか?同じメニュー、同じ味が続くと、食事の楽しみや食事への期待値が下がってきてしまいます。
「簡単さ」を優先しがち
自分で作って余らせるよりはと、総菜やインスタント食品など簡単に食事を摂れるものを選ばれる方もいます。「誰に指摘されるわけでもないから」と好みのものばかりを選んで食べていると、食事の楽しみは維持できるかもしれませんが、気づかないうちに栄養バランスが乱れ、脂質・塩分・糖質のとり過ぎになってしまうこともあります。
食欲があまりわかない
さらに高齢になってくると、飲み込む力や噛む力、味覚、嗅覚が弱くなること、あるいは活動量の低下から、「食欲そのものがわかない」ということもあります。だからといって食事の量や回数を減らしてしまい、これが習慣化すると必要なエネルギーや栄養素が不足し、体力の低下や低栄養につながるおそれがあります。
おっくうになって食事を抜いてしまうことも
その日の気分や体調によっては、食事の支度や食事そのものがおっくうになることもあります。一人暮らしだとつい食事を抜いてしまっても、誰にも何も言われません。食事の回数や時間が不規則になると、生活のリズムがくずれます。食事量が減り、必要なエネルギーや栄養素が不足する状態が続くと、体力や筋力の低下にもつながり、ますます健康への不安が高まります。
高齢の方に必要な栄養素を効率よく、無理なく摂っていく工夫が必要です。
高齢者だからこそ、積極的にとりたい栄養素とは?
年齢を重ねていくと代謝や身体の機能が変化するため、必要なエネルギー量や意識して摂りたい栄養素も変わってきます。また、噛みにくさ、飲み込みづらさや調理の手間を考えてつい避けてしまい、不足してしまう栄養素もあります。 ご高齢の方が特に意識してとりたい栄養素と代表的な食材の例をご紹介します。
たんぱく質:筋肉や身体機能の維持(肉・魚・卵・大豆製品)
加齢とともに筋肉量が減少するため、筋肉や免疫機能の維持に役立つたんぱく質は、ご高齢の方に欠かせない重要な栄養素です。筋肉の維持や元気な体づくりのためにも、肉・魚・卵・大豆製品など、たんぱく質を多く含む食材を毎食とり入れると良いでしょう。
カルシウム:骨粗しょう症予防(牛乳・ヨーグルト)
骨粗しょう症のリスクが高まる高齢期には、骨の健康を維持するカルシウムも大切です。牛乳やヨーグルト・チーズなどの乳製品や、豆腐や納豆などの大豆製品なら、カルシウムを手軽に摂取しやすいでしょう。また、小魚や乾物からもカルシウムを補えるため、毎日のお味噌汁のだしや具材として入れ、丸ごと食べるなど上手に活用していくのもおすすめです。
ビタミンD:カルシウム吸収をサポート(鮭・きのこ類)
カルシウムとあわせてとりたいのが、ビタミンDです。カルシウムの吸収を助けるだけでなく、筋肉の働きにも関わります。鮭や、サンマなどの魚類、きくらげや干し椎茸などのきのこ類に多く含まれているほか、日光を浴びることでも体内で作り出せますが、意識して食品から補うことも大切です。
食物繊維:おなかの調子を整える(野菜・海藻類)
野菜や海藻、きのこ、豆類、バナナやキウイといった果物などに含まれる食物繊維は、便通を整えるのに役立ちます。一人分だと野菜を使い切るのが難しいという声もありますが、冷凍野菜やカット野菜を活用するのもひとつの方法です。
熱中症予防に重要な「水分」も忘れずに!
栄養素ではありませんが、水分摂取も非常に重要です。高齢期はのどの渇きを感じにくくなる傾向があり、気づかないうちに水分不足になりやすいといわれています。近年は猛暑になる日も多く、熱中症予防のためにも、のどが渇く前にこまめに水分をとる習慣を意識したいところです。お茶や水だけでなく、ご飯にお味噌汁、サラダやスープなど食事の中で水分をとる工夫も役立ちます。
高齢者におすすめ、簡単レシピ
手軽に作れて、不足しやすい栄養素も摂りやすいレシピを3つご紹介します。
具だくさんのお味噌汁
豆腐や油揚げでたんぱく質を、キノコ類でビタミンD、わかめで食物繊維をとることが可能です。火を通すことで、柔らかくなるため、ご高齢の方の栄養補助にぴったりなメニューのひとつです。 塩分を控えたいお味噌汁でも、だしを効かせることで満足感のある味わいになります。だしに使った煮干しも食べることでカルシウム摂取量を増やすことができます。
にんじんしりしり
にんじんしりしりは沖縄の郷土料理です。にんじんは油との相性が良く、ビタミンAの吸収率も上がり、ツナや卵でたんぱく質も同時に摂れます。 にんじんを炒めて卵とツナを加えて、塩コショウで味付けするだけと、作り方も簡単です。ちょっとしたアレンジもできます。 煮物などで余ってしまったにんじんを消費するのにも便利。まとめて作ったら、1食分ずつ小分けに冷凍して、副菜として食べるときに解凍するとよいでしょう。
バナナヨーグルト
バナナは炭水化物、カリウム、食物繊維やビタミンB群など、さまざまな栄養素を含み、エネルギー補給にも役立つ食材です。包丁を使わずすぐに食べられ、噛む力が弱ってきた人でも食べやすいのも魅力です。 ヨーグルトはたんぱく質、カルシウム、乳酸菌などが豊富で、合わせてとることで、さまざまな栄養素を一緒に摂れ消化に優しい一品になります。シリアルやグラノーラと合わせれば、炭水化物やたんぱく質などを一緒にとることができ、火を使わず手軽に朝食を用意できます。
自炊する?レトルト食品を買う?食事宅配サービスを使う?
簡単なレシピをご紹介しましたが、そもそも、あまりご自身で食事の支度をしたことがない、あるいは食事の支度に不安がある、という方もいるかもしれません。食事スタイルにはそれぞれメリット、デメリットがあります。体調や生活リズムに合わせて、無理のない方法を選ぶことが大切です。
自炊のメリット・デメリット
自炊(ここでは食材を購入し、調理して食事を作ること)の大きなメリットは、好きな味付けにできること、食材を選べる自由があること、食事のコストを抑えやすいことなどです。また、長年続けてきた料理が日々の張り合いになっている方も多くいらっしゃいます。自分の手で食事を作れる感覚が、年齢を重ねるうちに達成感になることもあるでしょう。
しかしその一方で、体調がすぐれない日や面倒に感じる日が続くと、食材の存在や食事の支度がプレッシャーになり「うまくできない」という気持ちにつながってしまうこともあります。シニア世代では、買い物や立ち仕事を身体的な負担に感じるときもあるため、「できる範囲で自炊を取り入れよう」と考えるほうが、無理が出にくいかもしれません。
レトルト食品購入のメリット・デメリット
同じ自宅で作る食事でも、近頃はレトルト食品や、冷凍食品など、調理済みで温めるだけで食べられる食事もあります。レトルト食品は常温で保存できるため、買い忘れや買い物に出られない日の備えとして重宝します。近所のコンビニやドラッグストア、スーパーでも手に入りやすく、お湯で温める以外にも、レンジで短時間調理できるものもあり、手軽さと種類の豊富さもメリットです。
一方、レトルト食品は商品によって使われている食材や含まれる栄養素が異なり、ひとつの商品だけでは栄養バランスを整えにくい場合もあります。選ぶ際は栄養バランスに配慮された商品を選んだり、必要に応じて副菜を添えたり、ほかの食品と組み合わせたりするとよいでしょう。ただし、食が細くなってきた高齢の方にとっては、食べきれない、一人分の量に細かく調整しにくい点がデメリットに感じられるかもしれません。食欲や食事量に合わせて、無理なく食べられる商品を選ぶことも大切です。
食事宅配サービスのメリット・デメリット
食事宅配サービスは、栄養のバランスに配慮されたものもあり、手軽に食べられることが大きなメリットです。買い物に出て、重い食材を運ぶ負担や、献立を考える手間からも解放されます。食事を純粋に楽しめる、という考え方もあります。年代に合わせたメニュー構成が選べたり、配達頻度を調整できたりするものもあります。ご自身の生活スタイルや食べる量に合ったサービス、コースを選ぶことも大切です。
一方で、契約するサービスによっては、細かい献立や分量の自由度が高くなく、食べきれなかったり好きなものを食べられなかったりといった点を不満に感じる方もいます。食材やレトルト食品を買ってくるよりは、コストがかかるという点を懸念される方もいます。
一人暮らしの食事の宅配サービス。実はそんなに高くない?!
食事の宅配サービスは「割高なのでは」というイメージを持たれることがあります。
総務省統計局「家計調査報告(2025年/令和7年平均結果の概要)※2」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は月平均148,445円で、そのうち食料費は月平均42,545円となっています。消費支出全体の3割弱を食費が占め、さらに1か月の食料費を単純に1食分に換算すると、約473円【42,545円÷(3食×30日)】となります。契約するサービスの内容にもよりますが、普段の食費や光熱費などの関連する費用とサービス利用料に大きな乖離がなく、買い物や食事の支度をする負担感の軽減や、栄養のバランスを考えられた食事やお弁当の宅配サービスが届いて、きちんと食事がとれることを考えると、いちがいに割高とは限らないことが見えてくるはずです。
コープ・生協のお弁当宅配サービスをおすすめしたい理由は?
長年、地域に根づいてきた生協にも、「コープ・生協のお弁当宅配」サービスがあります。
旬の食材で、飽きのこない家庭の味
季節ごとに旬の食材を取り入れたメニューが用意されており、毎日の食事として飽きずに楽しめる工夫がされています。煮物や和え物など、なじみのある和食のメニューが多いことも、ご高齢の方におすすめできるポイントです。
新しいメニューがちょっと楽しみに
定期的にメニューが入れ替わるため、「次は何が届くのだろう」という小さな楽しみが生まれやすく、ご利用者様に喜ばれています。新メニューで、毎日の生活にちょっとした変化を添えられるのも魅力です。
かむ力が落ちてきた、そんなときも安心メニュー
加齢とともにかむ力や飲み込む力が変化してきた方にも配慮し、やわらかさに工夫を加えたメニューが選べる場合があります。それぞれのコープ・生協の紹介ページを参考に、ご自身に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
こまめに買い物に出なくてよい、無駄な買い物が減る
お弁当やおかずが定期的に届くため、買い物へ行く頻度を減らせます。雨の日や暑い日、寒い日に外出する、重い荷物を持って歩く、といった負担が軽減されるでしょう。また、買い物に行くと、つい目に入った余計なものを買ってしまいがちです。宅配サービスを利用すれば、結果的にそうした無駄な買い物も自然と減っていくでしょう。
食事だけでなく、必要な日用品の宅配も
コープ・生協では、食事だけでなく、日用品や生活雑貨の宅配にも対応しています。食事と合わせて必要なものをまとめて届けてもらえるため、トイレットペーパーなどのかさばる買い物や飲料水といった重い荷物を持ち歩く負担も軽減されます。
地域密着型ゆえの強み 対面配達で暮らしの安心も
地域に根づいた生協ならではの強みとして、配達担当スタッフが対面でお届けすることが多く、顔を合わせて言葉を交わす機会にもなります。
コープ・生協では「地域見守り活動」にも取り組んでおり、自治体によっては協定を締結しています(2023年10月末時点で1,291の市区町村と見守り協定を締結)。この「地域見守り活動」において、一部の生協では配達担当スタッフがご利用者様などの異変に気付いたときは、行政など事前に取り決めた先へ連絡する取り組みを行っています。
食事を届けるだけでなく、見守りの安心感を得られる点も、一人暮らしをするご高齢の方やそのご家族にとって心強いポイントではないでしょうか。一人暮らしを続けながら、ご自身のペースで食生活を整えていくことは、決して簡単なことではありません。すべてを自分でこなそうとせず、状況に応じて頼れるサービスを取り入れることは、長く健やかに、ゆとりのある暮らしを続けるための知恵といえると思います。毎日の食生活がより良いものとなるように、「コープ・生協のお弁当宅配」サービスもぜひ一度ご検討ください。
- 記事監修:
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管理栄養士 広田千尋 病院、保育園、保健センターなどで13年間勤務。生活習慣病の方やご高齢の方への栄養サポート、妊娠中の方や乳幼児の食事相談など、幅広い年代の栄養・食事支援に携わる。2020年からは、これまでの経験を活かし、フリーランスの管理栄養士として活動。身近な材料で簡単に作れるレシピの開発や、食・栄養に関するコラム執筆、記事監修などを行っている。
ご存知ですか?コープ・生協の宅配
コープの宅配